WHO(世界保健機構)による鍼灸適応症
WHOと鍼灸の関係を簡単にいうと
WHOは鍼灸に関する臨床試験のレビューや、安全に鍼灸を実施するための国際的な参考基準を公表しています。ただし、WHO資料に掲載されている疾患・症状すべてについて、WHOが現在「鍼灸が有効」と認定・推奨しているという意味ではありません。
鍼灸はどんな症状に用いられている?WHOの報告と研究から解説
「鍼灸って、どんな症状に受けるものなの?」
「自分の症状にも鍼灸を受けていいの?」
「WHOが鍼灸の適応症を発表していると聞いたけれど、本当?」
そんな疑問をお持ちの方へ。
鍼灸は、日本だけでなく世界各国で利用されている伝統医療のひとつです。
WHO(世界保健機関)でも、鍼灸に関する臨床研究のレビューや、安全に施術を行うための国際的な参考基準が公表されています。
このページでは、
「WHOと鍼灸にはどのような関係があるのか」
「どのような症状について鍼灸の研究が行われてきたのか」
を、できるだけわかりやすくご紹介します。
目次
WHOが認めた「鍼灸適応症」があるの?
インターネットで鍼灸について調べると、
「WHOが認めた鍼灸適応症」
「WHO認定の鍼灸適応疾患」
といった表現を目にすることがあります。
ただし、この表現には注意が必要です。
WHOが2002年に公表した
「Acupuncture: Review and Analysis of Reports on Controlled Clinical Trials」
は、それまでに報告された鍼灸に関する対照臨床試験を整理・検討した資料です。
つまり、掲載されているすべての疾患について、
「WHOが鍼灸で治ると認定している」
「WHOが現在、鍼灸治療を推奨している」
という意味ではありません。
当院では「WHO認定だから効く」といった表現は使用せず、WHOの資料やその後の研究を、鍼灸について知っていただくための参考情報としてご紹介しています。
鍼灸について研究されてきた症状・疾患
WHOの資料をはじめ、鍼灸については世界各国でさまざまな研究が行われています。
ここからは、身体のお悩みごとにご紹介します。
首・肩のお悩み
たとえば、
・首の痛み
・肩の痛み
・首や肩周辺の筋肉の緊張
・肩関節周辺のお悩み
などについて、鍼灸に関する研究が行われています。
「デスクワークで首や肩がつらい」
「同じ姿勢を続けていると痛くなる」
「マッサージを受けても、またつらくなる」
という方は、一度お身体の状態を確認してみませんか?
▶ 首・肩こりについて詳しく見る
腰痛
腰痛は、鍼灸について多く研究されている分野のひとつです。
腰痛といっても、
・筋肉の緊張
・姿勢や身体の使い方
・仕事による負担
・長時間のデスクワーク
・加齢による身体の変化
など、さまざまな要因が考えられます。
そのため当院では「腰が痛いから腰だけに鍼をする」のではなく、お身体全体を確認しながら施術方針を考えます。
▶ 腰痛について詳しく見る
坐骨神経痛・脚のしびれ
「お尻から脚にかけて痛む」
「脚がしびれる」
「長く座っているとつらい」
このような症状で来院される方もいらっしゃいます。
坐骨神経痛のような症状には、さまざまな原因が考えられます。
症状の程度や原因によっては医療機関での検査が必要になるため、状態を確認したうえで施術の可否を判断します。
▶ 坐骨神経痛について詳しく見る
膝・関節のお悩み
・膝の痛み
・変形性膝関節症に伴う痛み
・関節周辺の痛み
などについても、鍼灸に関する研究が行われています。
特に中高年になると、
「階段の上り下りがつらい」
「立ち上がるときに膝が気になる」
「歩き始めに違和感がある」
などのお悩みが増えてきます。
▶ 膝の痛みについて詳しく見る
頭痛・片頭痛
頭痛や片頭痛についても鍼灸に関する研究があります。
ただし、頭痛にはさまざまな原因があります。
特に突然起こった激しい頭痛や、これまで経験したことのない頭痛、手足の麻痺・しびれ、言葉が出にくいなどの症状を伴う場合には、鍼灸ではなく速やかに医療機関を受診してください。
顎・顔まわりのお悩み
・顎周辺の痛み
・顔面部の痛み
・顎を動かしたときの違和感
などについても鍼灸に関する研究があります。
顎の症状には歯科領域の疾患が関係している場合もあるため、必要に応じて適切な医療機関への受診をご案内します。
胃腸のお悩み・吐き気
女性特有のお悩み
当院の施術方法(接骨院・整体)
・月経に伴う痛み
・妊娠に伴う吐き気など
女性特有のお悩みについても、鍼灸に関する研究が行われています。
「こんなことを相談してもいいのかな?」
という内容でも構いません。
気になることがございましたら、お気軽にご相談ください。
妊娠中または妊娠の可能性がある場合には、必ず事前にお申し出ください。
▶ 女性特有のお悩みについて詳しく見る
「自律神経の乱れ」が気になっている方へ
「病院で検査をしても大きな異常が見つからない」
「身体がだるい」
「眠りが浅い」
「身体がいつも緊張している」
こうした症状から、
「自律神経が乱れているのでは?」
と考える方もいらっしゃいます。
ただし、「自律神経の乱れ」という言葉だけで症状の原因を判断することはできません。
睡眠、ストレス、生活習慣、筋肉の緊張、ホルモンの変化、疾患など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
当院では「自律神経」という言葉だけで判断せず、現在のお悩みや生活状況、お身体の状態などを確認します。
私の症状でも鍼灸を受けられますか?
鍼が初めての方へ
鍼灸だけに頼らないことも大切です
当院では、
「どんな症状でも鍼灸で対応できる」
とは考えていません。
症状によっては、鍼灸よりも医療機関での検査・診断・治療を優先すべき場合があります。
特に、
・突然の激しい頭痛
・胸の痛み、強い息苦しさ
・突然、手足に力が入らなくなった
・身体の片側に突然しびれが出た
・ろれつが回らない
・意識状態がおかしい
・高熱を伴う強い症状
・原因不明の急激な体重減少
・これまで経験したことのない強い痛み
などがある場合には、鍼灸院・接骨院への来院よりも、速やかに適切な医療機関を受診してください。
当院でも、お身体を確認した結果、医療機関での診察や検査を優先したほうがよいと考えられる場合には、その旨をお伝えします。
国内外で鍼灸の研究は続いています
鍼灸については、WHOの2002年資料以降もさまざまな研究が行われています。
たとえば慢性疼痛については、腰・首の痛み、変形性関節症、慢性頭痛、肩の痛みなどを対象としたランダム化比較試験を統合したメタ解析も報告されています。
一方、研究結果は症状によって異なり、鍼灸の作用についてもすべてが明らかになっているわけではありません。
そのため当院では、
「WHOに載っているから効く」
「鍼をすれば必ず治る」
といった説明は行いません。
現在分かっていることと、まだ分かっていないことを区別しながら、患者様のお身体に合わせた施術をご提案することを大切にしています。
< 参考文献・関連アーティクル >
【World Health Organization(WHO)】
Acupuncture: Review and Analysis of Reports on Controlled Clinical Trials
World Health Organization, 2002
鍼灸について報告された対照臨床試験をWHOが整理・検討した資料です。
【World Health Organization(WHO)】
WHO benchmarks for the practice of acupuncture
World Health Organization, 2021
鍼灸を実施する際の手順、設備、安全性などについてWHOがまとめた国際的な参考基準です。
【National Center for Complementary and Integrative Health(NCCIH / NIH)】
Acupuncture: Effectiveness and Safety
鍼灸の有効性、安全性、腰痛・首の痛み・変形性関節症などについて、研究結果を一般向けにまとめた解説です。
【Vickers AJ, et al.】
Acupuncture for Chronic Pain: Update of an Individual Patient Data Meta-Analysis.
The Journal of Pain. 2018;19(5):455-474.
- 慢性疼痛を対象とした鍼灸のランダム化比較試験を統合した個人患者データ・メタ解析です。
症状を我慢し続ける前にご相談ください
「何年も腰痛を繰り返している」
「肩や首がつらいのが当たり前になっている」
「自分の症状に鍼灸が合うのかわからない」
そんな方も、まずは現在のお悩みをお聞かせください。
お身体の状態を確認し、鍼灸が選択肢として考えられる場合には、施術内容についてわかりやすくご説明します。
また、医療機関での診察や検査を優先したほうがよいと判断した場合には、その旨をお伝えします。
「鍼灸を受けるかどうか」から迷っている方も、お気軽にご相談ください。
担当施術者
藤平友美子:はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師
当院では、一般的な鍼灸施術で使用される細めの鍼から、しっかりとした刺激を加えるための太めの鍼まで、施術内容に合わせて使用しています。施術スタイルとしては、多数の鍼を使用して施術を行う「ルート鍼治療」を得意としています。
藤平規郎:柔道整復師
鍼を使用しない施術として、皮膚に刺さない粒鍼(テープ)を、ツボの流れである経絡(けいらく)に沿って貼付する施術を行っています。はり師の国家資格は保有していないため、鍼を皮膚に刺す施術は行いません。「鍼を刺されるのが怖い」「鍼特有のズーンとした重い刺激が苦手」という方には、鍼を刺さずに行う経絡への施術もご用意しています。鍼の刺激が苦手な方や、まずは鍼を使わない方法から試してみたい方は、お気軽にご相談ください。
来院地域|いすみ市・外房エリアの幅広い地域からご来院いただいています
よくある質問(FAQ)
Q. WHOは鍼灸の効果を認めているのですか?
A. WHOは鍼灸に関する臨床試験をまとめた資料や、鍼灸を安全に実施するための国際的な参考基準を公表しています。ただし、WHOの資料に疾患名が掲載されていることと、WHOが現在その疾患に対する鍼灸を一律に推奨していることは同じではありません。
Q. WHOが認めた「鍼灸適応症一覧」があるのですか?
A. 2002年にWHOが公表した資料では、当時までに行われた鍼灸の対照臨床試験が疾患・症状別に整理されています。インターネット上ではこれを「WHO認定適応症」と紹介しているケースがありますが、「WHOが治療効果を認定した疾患一覧」と解釈するのは適切ではありません。
Q. 鍼灸はどんな症状に使われていますか?
A. 腰や首などの痛み、膝の変形性関節症に伴う痛み、頭痛など、さまざまな症状について鍼灸の研究が行われています。一方で、症状によって科学的根拠の強さは異なります。
Q. 自分の症状が一覧にありません。相談できますか?
A. はい。一覧は「この症状だけが鍼灸の対象」という意味ではありません。
現在の症状や経過、お身体の状態を確認したうえで、鍼灸が選択肢として考えられるかを判断します。
Q. 病院に通院中でも鍼灸を受けられますか?
A. 疾患や治療内容によって異なります。現在治療中の病気や服用しているお薬がある場合は、事前にお知らせください。必要に応じて、主治医への確認をお願いする場合があります。
Q. 鍼灸を受ければ病院へ行かなくても大丈夫ですか?
A. いいえ。鍼灸は医療機関で必要な診察・検査・治療の代わりになるものではありません。
症状によっては医療機関での診察を優先する必要があります。






