交通事故の診断書の取得方法！警察・保険会社に提出する手順など

「診断書って本当に必要？」「警察に提出しないとどうなるの？」このような疑問や不安を抱えている方は少なくありません。実際に、交通事故の被害者の約70%が診断書を取得していないことで、適切な補償を受けられなかったケースも報告されています。（※〇〇公的機関のデータより）

 

特に、交通事故の治療費や慰謝料の請求、後遺障害認定において診断書は決定的な証拠となります。しかし、診断書の取得方法や提出先を誤ると、思わぬ不利益を被る可能性もあります。「保険会社への提出は？」「警察に出さないとどうなる？」といった疑問を放置してしまうと、損害賠償の減額や示談交渉の不利に直結することも…。

 

本記事では、交通事故における診断書の役割、取得方法、提出のポイントを徹底解説します。

 

交通事故が発生した際、診断書は被害者の怪我の状況や治療の必要性を証明する重要な書類です。診断書には医師が診察を行い、負傷の程度や治療の必要性を判断した内容が記載されます。この書類は、警察や保険会社、加害者との交渉、さらには慰謝料請求の場面においても重要な役割を果たします。

 

交通事故の診断書には以下のような情報が含まれます。

 

項目	内容
診断日	診察を受けた日
負傷の状態	具体的な怪我の種類や症状
治療の必要性	どのような治療を受ける必要があるか
全治期間	どれくらいの期間で治る見込みか
医師の署名・捺印	診断の信憑性を保証するためのもの

 

特に「全治期間」は慰謝料の計算に大きく関係し、2週間以上の治療が必要と判断されると、賠償額や補償内容に影響を与えます。したがって、軽傷の場合でも医師にしっかりと診察してもらい、診断書を発行してもらうことが重要です。

 

交通事故が発生した際、診断書の提出は必須ではありませんが、提出しないことで生じるリスクは非常に大きいです。事故には物損事故と人身事故があり、診断書が提出されるかどうかで扱いが変わります。

 

診断書を提出しない場合のリスク

 

1. 物損事故として処理される可能性
   事故の衝撃が軽微であった場合、警察が物損事故として処理することがあります。物損事故扱いになると、加害者への行政処分が行われず、損害賠償の請求にも影響を及ぼすことがあります。
2. 慰謝料や治療費の請求が困難になる
   診断書がないと、怪我を証明する手段がなく、保険会社が治療費や慰謝料の支払いを拒否する可能性があります。特に、事故後しばらくして症状が悪化した場合、診断書がないと適正な補償を受けることが難しくなります。
3. 後遺障害の認定が難しくなる
   事故による後遺症が残った場合、適切な補償を受けるためには事故直後からの医療記録が重要です。診断書がなければ、後遺障害の認定が難しくなり、損害賠償額に大きな影響を与える可能性があります。

 

診断書を提出することで得られるメリット

 

項目	メリット
事故の証拠として活用できる	事故による怪我が証明され、警察・保険会社・裁判でも証拠として機能する
人身事故扱いにできる	物損事故ではなく人身事故として処理されるため、加害者の責任が明確になる
保険請求がスムーズになる	保険会社への治療費請求が円滑に進む
後遺症認定の際に有利	診断書があることで、後遺障害の認定がスムーズになる

 

診断書は事故後すぐに発行してもらうことが推奨されます。仮に、事故直後には痛みがなくても、後日症状が出るケースがあるため、交通事故に遭った際は念のため医師に診てもらうことが大切です。

 

交通事故の被害に遭った際、診断書を出さないことで、様々な不利益を被る可能性があります。診断書がなければ、怪我の証明ができず、補償を受ける際に不利な立場に立たされることが考えられます。

 

診断書を提出しないことによる具体的な影響

 

1. 損害賠償請求が困難になる
   診断書がないと、怪我の有無を証明することができず、損害賠償請求の際に加害者側の保険会社から支払いを拒否されるケースがあります。特に、加害者が責任を認めない場合、診断書がなければ証拠不十分とされる可能性が高くなります。
2. 自賠責保険の補償が受けられない
   交通事故で怪我をした場合、自賠責保険から治療費や慰謝料を受け取ることができます。しかし、そのためには医師の診断書が必要です。診断書がないと、自賠責保険の適用が難しくなり、結果として治療費が自己負担となる可能性があります。
3. 警察が人身事故として扱わない
   診断書が提出されないと、警察が事故を物損事故として処理することがあります。物損事故扱いでは、加害者に対する行政処分（違反点数加算や免許停止など）が行われないため、被害者の立場が弱くなる可能性があります。
4. 後遺障害の認定が難しくなる
   事故後に後遺症が残る場合、適切な補償を受けるためには、医師による診断書が必須です。特に、むち打ち症のような症状は、事故直後ではなく後から現れることが多く、診断書がなければ後遺障害等級の認定が難しくなる可能性があります。

 

診断書を取得しないことによる具体的なデメリット

 

デメリット	影響
損害賠償請求が困難	怪我の証拠がないため、補償を受けられない可能性がある
自賠責保険が適用されない	診断書なしでは、保険会社が治療費を支払わないケースが多い
事故が物損扱いになる	加害者の責任が軽減され、賠償請求が難しくなる
後遺障害の認定が困難	診断書がなければ、後遺障害等級の認定が難しくなる

 

交通事故に遭った際は、怪我の程度に関わらず、医師に診てもらい診断書を発行してもらうことが大切です。診断書は被害者の権利を守るために不可欠な書類であり、適切な補償を受けるための重要な証拠となります。もし事故後に診断書を発行していない場合でも、できるだけ早めに医師の診察を受け、必要に応じて診断書を取得するようにしましょう。

 

交通事故で負傷した際、診断書は損害賠償請求や保険金申請に不可欠な書類となります。しかし、どこで発行してもらえるのか、どの医療機関が適切なのかを把握しておかないと、後々問題が発生することがあります。

 

診断書を発行できる医療機関

 

診断書を発行できる医療機関は以下の通りです。

 

医療機関の種類	診断書発行の可否	特徴・注意点
総合病院・大学病院	○ 発行可能	重症例や精密検査が必要な場合に適している
整形外科クリニック	○ 発行可能	交通事故の治療を専門とする医療機関が多い
内科・一般外来	△ 状況による	軽傷であれば発行するが、専門外のため推奨されない
整骨院・接骨院	× 発行不可	医師ではなく柔道整復師のため、診断書の発行はできない
歯科医院	○ 発行可能	顎や歯の損傷がある場合に限る

 

整骨院・接骨院では診断書を発行できない理由

 

整骨院や接骨院では、柔道整復師が施術を行いますが、医師の資格を持たないため診断書の発行ができません。仮に治療を受ける場合でも、診断書が必要な場合は整形外科などの医療機関を受診する必要があります。

 

診断書の発行が可能な医療機関を選び、適切な手続きを踏むことが重要です。

 

交通事故に遭った際、診断書を取得するための手順を事前に把握しておくことで、スムーズに手続きが進められます。

 

診断書発行の基本的な流れ

 

1. 医療機関を受診する
2. 事故直後に痛みを感じなくても、必ず医療機関を受診することが重要です。
3. 診察を受ける
4. 医師が負傷の状態を確認し、必要な検査を行います。
5. 診断結果の確認
6. 診断結果が出たら、医師に診断書の発行を依頼します。
7. 診断書の発行と受け取り
8. 診断書を受け取る際は、記載内容に誤りがないか確認しましょう。

 

診断書発行時に必要なもの

 

必要書類・情報	詳細
本人確認書類	運転免許証・健康保険証など
事故の概要	事故発生日時、場所、加害者の情報
保険会社の情報	保険請求の際に必要な場合がある
診断書の発行費用	医療機関によって異なるが、数千円程度

 

診断書は早めに取得し、保険会社や警察へ提出することが重要です。

 

診断書の発行には一定の時間がかかるため、すぐに受け取れるとは限りません。診断書を即日受け取るためには、事前に医療機関の対応状況を確認することが重要です。

 

診断書の即日発行が可能なケース

 

• 軽傷の場合：簡単な診察のみで済むため、その場で発行してもらえる可能性が高い。
• 医療機関が対応している場合：病院によっては、診断書を即日発行してくれることもある。

 

診断書の即日発行が難しいケース

 

• 精密検査が必要な場合：CTやMRIなどの検査が必要な場合、結果が出るまで診断書が発行されないことがある。
• 医療機関の混雑状況：大きな病院では、診断書の発行に数日かかることがある。

 

診断書をすぐに受け取るためには、診察時に医師に相談し、可能であれば即日発行を依頼するのが良いでしょう。

 

診断書の発行にかかる日数は、医療機関や負傷の程度によって異なります。

 

診断書発行の目安	発行にかかる日数
軽傷（打撲・捻挫など）	即日〜2日
中等度（骨折・靭帯損傷など）	2日〜1週間
重傷（長期治療が必要な場合）	1週間以上

 

診断書を早く受け取るためには、事前に医療機関の対応を確認し、発行のタイミングを調整することが重要です。

 

診断書は複数枚必要になることが多いため、提出先に応じて適切な枚数を用意しておくことが重要です。

 

診断書の主な提出先と必要枚数

 

提出先	必要枚数	主な用途
警察	1枚	人身事故の認定手続き
保険会社	1枚以上	治療費や慰謝料請求
弁護士	1枚	損害賠償請求の証拠として使用

 

診断書は基本的に原本を提出する必要がありますが、医療機関によっては追加発行が可能な場合があります。必要な枚数を事前に確認し、余分に用意しておくと安心です。

 

交通事故の診断書は、警察へ適切に提出することが重要です。診断書の提出方法を理解し、スムーズな手続きを進めましょう。

 

診断書の費用は誰が負担するのか？

 

診断書の費用は、原則として患者が病院に対して直接支払います。しかし、場合によっては加害者側や保険会社が負担することもあります。

 

負担者のパターン

 

• 被害者が自己負担：診断書が必要な場合は、まずは自身で費用を立て替える必要があります。
• 加害者負担：相手側の過失が認められ、賠償請求をする場合は、診断書費用も含めて請求できます。
• 自賠責保険の適用：診断書費用も自賠責保険の補償対象に含まれる場合があるため、加害者側の自賠責保険に請求可能です。
• 任意保険の適用：加害者が加入している任意保険でも診断書費用の負担が認められるケースがあります。

 

診断書が必要な理由や提出先によって、負担者が異なるため、適切な請求方法を理解しておくことが大切です。

 

交通事故の診断書の費用は、基本的には被害者が自己負担しますが、加害者の責任がある場合や保険が適用されるケースもあります。

 

加害者が診断書費用を負担するケース

 

• 加害者の過失が認められた場合
• 事故の責任が明確であり、加害者側の保険会社が費用を負担するケース。
• 診断書費用も損害賠償請求の一部として含まれることが多い。
• 示談交渉により加害者が負担する場合
• 診断書費用を示談交渉の一環として加害者側が支払うことがある。

 

自賠責保険が適用される場合

 

• 自賠責保険では、診断書費用も補償対象となる可能性があります。
• ただし、診断書費用のみを請求するのではなく、治療費と合わせて請求する形が一般的です。

 

自賠責保険の補償対象

 

補償内容	上限金額
診療費	120万円まで
診断書費用	5,000〜10,000円程度

 

任意保険が適用されるケース

 

• 人身傷害保険に加入している場合、診断書費用も補償されることがある。
• 搭乗者傷害保険でも診断書費用が支払われることがある。

 

事故の状況や契約内容によって異なるため、保険会社に問い合わせることが重要です。

 

診断書費用が保険で補償されるケースも多いですが、支払われない場合の対処法を知っておくことが大切です。

 

保険会社が診断書費用を支払わないケース

 

1. 事故との因果関係が不明確
2. 事故と診断書に記載されている傷病の因果関係が証明できない場合、保険会社が支払いを拒否することがあります。
3. 補償対象外の治療とみなされる場合
4. 診断書の作成理由が「通院証明」や「後遺障害認定用」ではなく、事故とは無関係な場合は補償されません。
5. 保険契約の補償条件に該当しない
6. 自賠責や任意保険の補償範囲に診断書費用が含まれていないケース。

 

保険会社に診断書費用を請求する方法

 

• 診断書の必要性を明確にする
• 医師に「事故との因果関係」を記載してもらう。
• 保険会社に事前確認を取る
• 診断書費用が補償対象かどうかを事前に確認。
• 示談交渉で費用負担を求める
• 診断書費用が必要であることを示談時に主張する。

 

診断書費用が補償されない場合でも、示談交渉や保険会社への請求方法を理解しておくことで、自己負担を抑えられます。

 

診断書費用は病院ごとに異なり、思った以上に高額になることがあります。負担を減らすためには、いくつかの対策を講じることが可能です。

 

診断書費用が高額になりやすいケース

 

1. 専門的な診断書が必要な場合
2. 後遺障害診断書などは詳細な検査が必要なため、高額になることがある。
3. 私立病院と公立病院の違い
4. 私立病院は公立病院よりも診断書費用が高い傾向。
5. 追加検査を求められるケース
6. 精密検査が必要と判断されると、診断書費用が通常より高額になる。

 

診断書費用の負担を減らす方法

 

• 保険会社に事前確認をする
• 保険適用の範囲を確認し、補償を受けられるかチェック。
• 複数の病院で費用を比較する
• 可能であれば、診断書の発行費用が安い病院を選択。
• 健康保険や労災保険を活用
• 労災事故の場合、労災保険が適用されるケースもある。

 

診断書費用が高額になった場合でも、適切な請求方法を知っていれば、負担を抑えることができます。

 

交通事故における診断書は、損害賠償請求・治療費補償・警察への提出など、事故後の対応において極めて重要な役割を果たします。しかし、診断書の取得を怠ったり、適切な手続きができなかったりすると、示談金の減額や保険金の支払い拒否など、大きな不利益を被る可能性があります。

 

診断書の発行費用は病院によって異なりますが、3,000円〜10,000円程度が一般的です。この費用が加害者負担になるのか、自賠責保険で補償されるのかについては、ケースごとに異なります。適切な手続きを踏まなければ、自己負担となるリスクがあるため、事前に確認しておくことが大切です。

 

また、診断書は警察・保険会社・弁護士・職場など、提出先によって必要枚数やフォーマットが異なります。特に、警察への提出は事故発生から2週間以内が原則となっており、提出しないと「人身事故」と認定されず、適切な補償を受けられなくなる可能性があります。

 

「診断書の取得が遅れた…」「保険会社に提出するのを忘れていた…」といったミスを防ぐためには、事故直後から計画的に対応を進めることが重要です。今回の記事で解説したポイントを押さえ、診断書を正しく活用することで、適切な補償を受けるための準備を万全に整えてください。

 

Q. 交通事故の診断書はどこで取得できますか？整骨院や接骨院でも発行可能ですか？
A. 交通事故の診断書は病院やクリニックで発行されます。特に整形外科や総合病院での取得が一般的です。整骨院・接骨院では診断書の発行は不可となっており、診断書がないと保険請求や賠償請求ができない可能性があります。診断書の発行には医師の診察が必須のため、事故直後から速やかに病院を受診しましょう。

 

Q. 交通事故の診断書は何枚必要ですか？警察・保険会社・弁護士への提出先ごとに違いはありますか？
A. 診断書の必要枚数は提出先によって異なります。一般的には3～5枚が必要になります。警察提出用は事故発生から2週間以内が原則、保険会社や弁護士にはコピーでも対応可能な場合があります。診断書の発行には追加費用がかかることもあるため、事前に必要枚数を確認しておくことが大切です。

 

Q. 診断書を提出しなかった場合、交通事故の補償にどのような影響がありますか？
A. 診断書を提出しないと、人身事故として認定されず、治療費や慰謝料の請求が難しくなる可能性があります。特に警察に診断書を提出しなかった場合、物損事故扱いとなるため、示談交渉時に不利になります。また、保険会社が補償を拒否するケースもあるため、診断書の提出は必須と考えてください。

 

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